U. S. ARMY SPECIAL FORCE GROUP-GREEN BEREETS

U.S.ARMY SPECIAL FORCE GROUP GREEN BEREETS

■HISTORY 最も有名な特殊部隊グリーンベレーの元になる活動は第二次世界大戦のOSSや第1特殊作戦部隊にまでさかのぼる。ウィリアム・ジョゼフ・ドノバン（通称ワイルド・ビル）の指揮するOSS（戦略事務局）はヨーロッパの枢軸軍支配地域に抵抗活動を作り、支援するためのネットワークを構築することに主観を置いていた。彼等OSSメンバーは現地に数名の工作員を送り込み現地人を訓練、組織し枢軸軍に対する破壊、攪乱工作を行った。OSSの隊員で後に特殊部隊創設の父と言われたアーロン・バンク大尉はアルプスに4名の部下と空挺降下しゼロから抵抗組織を作り上げた。これらの活動は「ハートトゥマインド（民心獲得工作）」からはじまり、OSS隊員が先頭に立ち指揮を執ることで抵抗運動を根強いものにしていく効果的な作戦だった。そのため訓練されたレジスタンスの士気は高く枢軸軍にとっては脅威の存在であった。第二次世界大戦が終わるとインドシナでの共産化が進み、ベトナムなどで軍事行動がはじまると、その脅威を感じたアメリカ軍は共産化の防止のためにSFG（特殊部隊グループ）として不正規部隊の訓練にあたった。彼等は第二次世界大戦で活躍したOSSや第一特殊作戦部隊などから志願して集められた。SFGの隊員はレンジャー部隊などとは違い攻撃的な側面は少なかったが正規軍、民間不正規組織を問わず訓練を施し練度の高い戦闘部隊を作り上げた。この頃の作戦ではアメリカ人の勝ぢうは極秘とされていたためCIA（アメリカ中央情報局）などが独自の装備を購入、支給していた。1960年代に入り極東アジアでの共産化が加速するとベトナムに派遣される特殊部隊員の数は膨れ上がり、それらを統制する新しい組織第1、第5、第7SOG（特殊作戦グループ）が1962年9月に設立された。彼等の任務は1961年にCIAが発案したCIDG（民間不正規防衛グループ）の構築と支援にあったが、民間人の対象はベトナム人ではなく高原地域にすむ少数民族のモンタニヤードであり、ベトナム人からも差別の対象に遭っている彼等を訓練し戦闘に参加させるのは困難を極めた。しかしSOG隊員は3～4名で彼等と共に生活し作戦を展開することでその信頼を勝ち取り高い士気と信頼を勝ち取ることができた。こうしたハートトゥマインド作戦はSOGの作戦の中核になっていく。CIDG隊員はその後SOGのAチームと共に作戦行動を行いベトナム戦争中屈指の戦闘部隊として勇猛さを示した。最盛期には1万8千人のCIDG隊員が150人規模の部隊に分けられ22の特殊部隊Aチームに率いられた。愛称のグリーンベレーが使用されだしたのは1952年頃からであったが、軍上層部はそれを良くは思わなかった。彼等の活躍が正式に認められたのはケネディ政権下に入ってからで強いアメリカを目指すケネディ大統領は1961年に自らが指示してグリーンベレーの着用を認めた。同時に同政権下で彼等の存在が公にされ「グリーンベレー」はアメリカの力の象徴となった。彼等の部隊章にはラテン語で「デ・オプレッソ。リベル（抑圧からの解放）」と書かれたモットーがあり開放すべき者と共に暮らし戦うという精神を反映している。そのためグリーンベレーは他の特殊部隊とは違った一面を持っている。彼等は補給の限られた中で僅かな資源を有効に使い民心を獲得するために医者や獣医、歯医者などの高度な医療資格や鍛冶や自動車修理のエンジニア、宗教、語学の教育を受けている。現在彼らは空挺降下はもちろんのこと、トンネルや河川、市街などの特殊な環境での戦闘訓練をし、現地で武器を調達する事もあるため、あらゆる火器の操作を学ぶ。現在では、その規模も縮小され、組織自体の改革のため編成を変えているが、陸軍将兵誰もが認めるエリートフォースであることに変わりはない。陸海空の戦場を選ばない即応性はアメリカの各特殊部隊と変わりなくグレナダや湾岸戦争など各地で戦果をあげている。現在グリーンベレーは第1、第3、第5、第7、第10特殊作戦群（SOG）と第19（州兵）及び第20特殊作戦部隊（予備）で構成されUS.SOCOMの管理下に置かれている。通常指揮官は大尉で12名が最小単位になっている。

■UNIT SPECIAL FORCE GROUP（特殊部隊グループ）は本部と本部中隊、1個支援中隊及び3個SFG大隊から編成されている。本部中隊及び本部には28名の将校、及び3名の准尉、58名の下士官が配置されている。将校13名、准尉12名、下士官151名で構成され、3個の大隊では将校39名、准尉24名、下士官320名を擁している。 SFGの主な任務はアメリカ軍の支援を受ける現地住民への軍事支援、教育、訓練などを行う他、他の特殊部隊同様単独での特殊作戦を遂行する場合もある。SFG隊員は隔離地域での長時間の作戦行動能力に優れ現地人と協力し多くの作戦を遂行することも出来る。隊員個々は空挺隊員としての資格を有するほか海上、航空機などからのアプローチと離脱等あらゆる種類の高度な訓練を受けている。 ■EQUIPMENT SFGでは現地で住民を訓練する事から多くの銃器への扱いを修得する。これはアメリカ軍及び政府が直接的な介入を行えない場合に現地にある武器を利用して作戦を行うためである。通常の単独特殊作戦にSFGが使用する装備はアメリカ軍制式採用火器が多用される。M16ライフルの他にM4A1カービン、M203グレネードランチャー、M240機関銃、AT-4、スティンガー地対空ミサイル、M249SAWなどが使用される。車両や航空機は必要に応じて各特殊作戦部隊や兵站部から支給される他、現地で調達する場合もある。